2015年11月09日

rabi登場

 朝の早い飛行機で、旭川に着いたのは予定通り8:20。予報は雨。まだなんとか曇り空が踏ん張って思ったよりも寒くはありません。それでもダウンは着たほうが良さそうです。

綺麗に刈り込まれた農地を分けるアップダウンの一本道をゆっくり走り目指すウッドワークへ向かいます。


写真 2.JPG

 ウッドワークは今年20周年を迎えた特注を得意とする家具屋さん。

独立してからずっとお世話になっております。


 旭川は今、日本の家具作りでトップと言ってよく、特に無垢材の扱いが上手いのが特徴。

以前は既製品を扱う工場が数多く存在しましたが、既製品の売れない今、その様な工場も特注家具にシフトしたりたたんだり。特注はなかなか同じ物を作りませんから1回1回が勝負。作り方を工夫し技術の全てを注ぎ込みます。そんな理由からでしょうか残念ながら既製品工場は特注工場に及ばないところがあります。

 なぜだか家具の設計を多く頼まれる私の事務所は、いろいろな工場とお付き合いおしましたが腕の良いと言われる特注専門の家具工場の中でもウッドワークがピカイチ。

特に作りは丁寧で、端々の手触りは頬ずりしたくなるほど。工場もみんなの雰囲気が良く仕上がりにも穏やかな感じが宿ります。塗装は外注ですが自社に塗装場を設け上手な職人を確保し徹底した管理の下一つの流れの中で行っております。ほとんどの工場が塗装屋さんの工場に持って行って任せ切りに塗って貰うことが多い中、実はなかなか無いことなのです。そして良い塗装屋を確保することも難しい。工場に設けられた最後から二つ目の部屋は塗装から上がってきた家具を検品しながら丁寧にくみ上げる最終工程の部屋です。静かにゆっくりと確認しながらできていく最後の工程はまさに生み出される感じ。そして最後の部屋から全国各地に出荷されていきます。梱包も丁寧です。


 今回は特注家具の検品ではありません。

長年温めてきた、というか6年前試作まで終えたのに何となく気に入らなくそのままになっていた既製品となる子ども椅子の打合せ。ようやく商品ができました。9月に改良を加えた試作を確認し今回は更に手を入れた完成品です。


 実は2005年にある数物を得意とする家具屋さんから既製品の依頼を受けました。その時思いついたのが子どもの椅子です。子どもの椅子はデザインを優先するためかなかなか座り心地のいい本物に出会いません。ならばと言う思いがありました。

 その家具屋さんはあまり細かいことができないので簡単に作れるようにベニヤを使うことからデザインを始めました。ただし、座り心地に妥協をすることはできません。座面は削り出し、背中にも曲線を用いるなど最低限のことは盛り込みます。すると、試作品ができたとき、社長から「ウチじゃ無理だ」と。その時の試作は壊れてしまいましたが今でも有ります。下の子が使っていたのが懐かしいです。


 なかなかよくできていたので何時か既製品にと思っていました。ウッドワークの会長とはなぜか馬が合います。私と正反対な真面目な性格で決して上手いことはいいません。特注専門で走り続けて来たので同社の既製品は思い当たりませんでした。こんなに良い会社、良い既製品を持ってもらい、もっとよくしたい。おこがましいですがそんな気持ちでした。

会長(当時は社長)に話をしたら、子どもの家具は以前からやってみたかったと思いを伺いました。

2009年子どものための家具のスタートです。


 6年前に作った3脚の試作はその前の考え方を受け継いでおりましたので合板を切り抜いたものでした。

合板ゆえの重さと手触り、後ろ足が無駄に長いようなところがしっくりきませんでした。邪魔になりますからできるだけコンパクトが良いんです。そして椅子の重いのはダメだと思ってます。

 6年前の試作3脚は、子どもたちに愛され使われています。ウッドワークの会長のお孫さんたちにも使われております。結果的にはこの暖めてきた6年間で十分に使い勝手の検証ができました。とても気に入られてあのままでいいのではと言うお話しも何度も有りましたが、今回無理を押して全面改良をお願いしました。

 奥行きを5センチ縮め、素材を合板からサクラの無垢材に変更1.5キロほど軽くなりました。細かく面を取り手触りも上々。ベルトを考えおよそ納得のいくものに仕上がったと思います。

手直しというか生まれ変わった子ども椅子rabi(ラビ=横から見ると何となくウサギみたいだったので)に触れると「あれでも十分良かったけれど、更にその上があったんだ。」(社長談)と納得していただけました。

 子どもの椅子から始まったこの企画は第一弾として学習机、ランドセル収納と3点セットで動き出し今後更にアイテムを増やしていきます。

 今後ともどうぞ宜しく。


IMG_8752.jpg


ウッドワーク 子どものための家具

http://www.woodwork-kagu.com

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2012年01月14日

ユーティリティーの収納

神宮前03.JPG

世話になっている方から息子さんを紹介して頂きました。そのお宅は収納が少ないので徐々に作っていきましょうとなりまずその第一弾。

ユーティリティー

洗濯機の上やシンクの下に空間はあるものの有効に活用されていないので機能的な収納スペースとして欲しい。

洗濯機とシンクがあるだけで水栓やコンセントなど取り合いも多くなかなか複雑。
家のトーンは白と木を濃いめに塗った感じ。

無駄なく棚を配置し、インテリアに合わせる事が第一。
複雑な取り合いをいかにすっきり見せるかが腕の見せ所。
お恥ずかしいですが3回実測しました。

いつもながらあまりにぴったり作りすぎて壁と壁の間に入れるのが一苦労。
入ったときの満足感はたまりませんが(笑)
ぴったりが仇になり結局取付に4時間とちょっと掛かりました。

      神宮前01.JPG    神宮前02.JPG
      Before          After

神宮前04.JPG

現在取り付いているローフスクリーンをかわす

神宮前05.JPG

水栓金具とコンセントとの取り合い

神宮前06.JPG

側板は軽快に見えるよう格子にして
可動棚の為のタボを取り付ける
posted by おやじ at 23:49| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 家具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月22日

府中家具

 

ワンマン電車.JPG
 

 

 ちょっと風変わりなこの電車は、JR福塩線のワンマン電車です。部分的にバスのような。

 広島県の府中はその昔、婚礼家具の一大産地。日本一を自負する職人が腕を競い合いました。高級家具ならではの彫り物から吟味された材料まで今でも往時を感じさせます。

特筆すべきは吸い付くような桐の引出し。まさに職人芸です。

今のようにスライドレールを使わないので精度がものを言います。引出しの真ん中を持たず端を引いてもすーっと引き出されしまうときはふわっと違う段の引出しが出て来る。その感覚は何とも楽しくつい引いたり閉めたり。たまらない感覚です。

 長らく問屋に卸すばかりで表が見えなかった為気が付くと、婚礼箪笥不要の時代。スライドレール全盛の今、あの職人芸も廃れる一方。

 建築をやっていると時代の流れに乗れず消えゆく技を目の当たりにしますが今日もそれを感じずには居られません。ちょっと違った切り口で、またきちんとした説明をお客さんにすることで徐々に息を吹き返せばとこれから私も頭をひねりたいと思います。

 

 私の今日感じた府中家具

 ・練付材(天然木を薄くスライスしてベニヤに貼った物、高級品です)の柄が吟味されている。

 ・扉の小口の仕上げがよい。

 ・職人芸の引出しを受け継いでいるところもある(きわめて少ないと想像されますが)。

 ・彫り物や象嵌が出来る。(実はなかなか出来るところがない。それを専門にやる職人がいる。)

  これは、これから是非やってみたいですね。

 

 

彫り物.JPG
 
posted by おやじ at 22:41| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 家具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月13日

そろそろ完成?

 この前のオオカミのような折りたたみ椅子(http://blog.s-chiba.com/article/193369169.html)から早2週間。そろそろと思い次の打ち合わせ候補日をメールで打診。
すると 「候補日がTV取材で当たっているので」「取材に模型が必要なのでオオカミの前に出した模型を送ってください」 と。
  気になる。。。模型TV出演?
忙しいお店の主なのでいろいろ聞くのもなんですから、まぁそれはそうと、しかし、どうせなら次の打ち合わせに予定している最新模型を持って行きたい!! と思うのが当たり前で3日間せっせと作りました。
 前回のオオカミとその前の折衷案。お互いひとつひとつ曖昧な所を消して行きゆっくりと進めてきましたのでかなり煮詰まりました。気が付けばもう半年です。あと少し直して完成は6月末かな。


これが

引き出され

こうなる


posted by おやじ at 17:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 家具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月31日

欅のテーブル 納品

ケヤキのテーブル.JPG

 頼んでおりましたテーブルがようやく上がって参りました。
 (3/3のblogに紹介した欅のテーブル)
表面を削り塗装がかかると建物に負けることなく存在感を増ししっかり主張します。
木目も詰まって色も良いし言うこと無しです。
大きさは1800mm×800mm×厚さ60mmとやや小振り。
しかし玄関の打ち合わせコーナー用には立派すぎるほど。建物がどっしりしているのでこういった素朴な感じは合います。ベンチはウエンジ無垢材です。
 お施主さんにも大変喜んでいただきました。

 テーブルの欅板の端材が400mm弱あり今度はそれを使って電話台か飾り棚を作ろうと言うことになりました。
 あと足りない椅子も何か考えなくては。

桃の花と菜の花.JPG

今、ちょうど桃の花も咲いていました。
ラベル:欅のテーブル
posted by おやじ at 17:59| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 家具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

かわいい模型

 

パーツ.JPG
 

 

 家具を設計するうえでも模型でないと分かりにくいと言う難物がたまに有りまして。

 

 質感をだそうとするとバルサ材で作りたいが、形状を考えるとスチレンボード。小さく細かい上に曲線も有りという避けて通りたい形状。スチレンで作り始めますが一つパーツを切り終えても悩む。でもバルサでは細かい所が欠けるしなぁ。紙の両側に1ミリ厚のバルサを接着すれば欠けは防げるか?そんな手間ではいったいいつ出来上がる事か。完成模型ではなくスタディではないか。

 

 ようやく割り切れ無心で向かい始めるが思った以上に時間が掛かり切り抜くのに20分くらいかかるものも。切り上げてみるとたったこれだけ。

 パーツが少ないと言うことはプランが煮詰まっているということなのでそれなりに満足。

 

 更にそこからヤスリ掛け。合わせながらの仕事でやはり一つに20分くらいかかるものも。

 木工用ボンドを使って組んでいきますが手が入らないのでヤスリの先であっちへやったりこっちへやったり。

 

 なんとか出来上がり箱を作ってしまおうと見るとなぜか オオカミ を思い出しました。

 

 果たしてプレゼンはいかに。

 

 

箱入れ.JPG


 
      たたみ.JPG 開き.JPG

      たたみ横から.JPG 開き横から.JPG
posted by おやじ at 07:27| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 家具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月22日

ベルトフック

真っ白の扉の裏にベルトを掛けるフックを考えて欲しい。

 

施主からの要望を満たすべくカタログをめくりますがどれも安っぽく感じしっくりしません。

頭を切り替え必要な機能とは。

引っかけられること。更に平らなところが少し有れば掛けたときによじれにくいのでは。

デザインは何が合うのだろうか。

白を基調としたシャープな部屋と高級ブランドの服が掛けられているクローゼットを見たとき、ステンレス鏡面がイメージされました。

白い扉を開けると扉の裏にキューブ型のフックが千鳥に取り付ききらっと輝く。

 

そんな物ないだろうか。またカタログを見ます。

なかなかイメージ通りの物は無い。またステンレスのフックと言うだけで1つ2,3千円します。

これなら作っても同じくらいでは。

 

金物特注といっても1つのところで何でも出来るわけではなく、鉄骨のような大きいものが得意な会社、家具や小物などに使う細かいことが得意な会社、その中間が得意な会社。更にサッシが得意な会社など。

今回は明らかに小物が得意な会社を選びたいところですがこういう会社はなかなか有りません。手間が掛かる割りに大きさが小さい為価格が抑えられ成り立ちにくいのです。仮にお願いしようと見積もっても1個が1万円を超すでしょう。

次に有る程度細かい事が出来る会社を思いましたが金額を考えると現実的ではなさそうです。1個5,000円を超えると思います。

かといって鉄骨のような大きな物が得意な会社ではとてもクオリティが出せません。

そこで見積りをお願いしたのは最近何度かお付き合いのある看板屋さんです。

細かい物が得意ではないので細かい物でのクオリティはさほどではありませんが設備が整っているので細かな打ち合わせをして苦手なことをさせなければ出来るのではないかと考えたのです。

打ち合わせをしてみると切ったり貼ったりは普通に出来るのですが最後の磨きが苦手なようです。面を取ってエッジを出すなどもってのほかで切ったり貼ったりしたらそれをそのまま磨くだけでないと出来ません。

その当たりを考慮して図面を訂正しました。

そして価格も1個2,800円と既製品並みに押さえられ近いうちに取付です。

 

 

R00.JPG
 
posted by おやじ at 07:44| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 家具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月08日

1年になるか?

「今年もよろしくお願いします。思えば昨年の5月頃からこちらへ通わしていただいてますね。もう少しで1年になりますのでまた追加の依頼をお願いします(笑)」

 今日は家具の取付に施主のお宅へ伺いましたが、こちらは不思議と伺う度に少し追加をされます。

一番初め写真のテーブルと執務をされる為のテーブル、キャビネット、引出しワゴンの4点。
 打ち合わせをしていたらクローゼット。
  その後に2階ホールのちょっとした机と洋服収納。
   さらに寝室へステンレスのハンガー。
    そして今回取付は既存クローゼット扉を鏡は張りの扉への変
    更と2階ホールにステンレスハンガーパイプ。
     次回はベルトフックをクローゼットの扉裏へ取付と2階
     ホールへロールスクリーン2本取付。
      そう言えば途中、2階ホールの家具のプレゼンをして
      いるときそこに置いてあったエレキギターを持ち上げ
      「これを壁に掛けられないかなぁ」
      と言われ写真のようにギターフックを作ったことも
      ありました。
       今まだ検討中な物に2階ホールスツールが有ります。

 1年になるかな?

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 写真のテーブルは一番大変でした。
要望は子供の友達が来たときお菓子などを食べられるようなテーブルとして使え、普段は半分になって飾り棚のようになって欲しい。
 機能として天板が折れて脚が動く。
 機能的に動く家具は設計が大変。しかもそれを特注という一発勝負でやるわけですから。何度もスケッチを重ね作図を見直し詳細を起こす。気の遠くなるような作業から生まれました。
 仕上げ材の厚突きのシカモア練付が鏡面塗装できらきらっと浮き出る表情はとても品があり美しいです。
 練付は新木場の東京木材へ施主と一緒に選びに行きました。

IMG_7594.JPG

 もう一点の写真はカウンターの様なちょっとしたデスク、壁から突き出たオープン棚2枚と引出し2段。
手前に既存の本棚があるのでちょっとしたデスクが有ると良いと思い提案しました。デスクの横は要望された洋服を収納するスペースです。オープン棚の間に既存のコンセントやスイッチが不統一なパネルであったのでスッキリと木製パネルにまとめてみました。4つの四角い穴の上はスツールを置いたとき寄りかかっても良いようにクッション性を持たせた革のシートです。

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posted by おやじ at 23:25| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 家具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月31日

階段家具

IMG_7301.jpg はじめてはいつも緊張します。大工が作る階段ではなく家具屋が螺旋階段を作るとなると平面図と立面図だけでは思った通りはできないかもしれません。部品図を描いてみたりプラモデルを作るような組み立て図を描いてみたり。工場がやりやすいように図面を考えますがそれでもよく分からないので設計者の描いた部品図を信じてベニヤを加工していきます。ベニヤと言ってもシナ共芯合板。決して安い物では有りません。図面が間違っていたらその通り間違えてしまうという恐ろしい緊張がみんなに有ります。始まると工場の職人さんから朝に晩に電話で問い合わせがきます。聞くと毎晩帰りは0時を回るというから恐れ入ります。
 図面の不備を職人さんが補ってくれたお陰で大きなミスもなく、工場で仮組が終わったという報告を社長から写真付のメールで頂きました。ありがたい。
 これで半分は終わりました。現場でうまく搬入ができるか。現場で既存とうまく取り合うか。まだまだ緊張は続きます。
 朝8時半から搬入をはじめ10にも満たない梱包を搬入するのに3時間を要し現場では相当の苦戦が考えられましたが家具屋の坊ちゃん達の機敏な働きで組み立ては順調。予想を遙かに上回る夕方4時には目鼻が付きました。
 模型で検討したひとつひとつが実物となって、手応えのあるこの階段をなでずには居られません。緊張の肩の荷が下りる瞬間です。このような辛く楽しい良い機会を与えて下さるお客様には感謝です。
ラベル:ロフト階段 家具
posted by おやじ at 00:31| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 家具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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